ソフトウェアエンジニアとして働き始めて10年目。昨年の秋に妊娠が発覚し、現在産前休業中である。
「妊活が大変」とか「子が生まれました」というブログはよく目にしていたので、妊活・出産・子育てに関する情報は自発的に集めていたつもりだった。
しかし、妊娠してから妊娠中の働き方についての認識の解像度がめちゃくちゃ低かったことに気づき、出産前に妊娠中の働き方について記録しておければと思いブログにまとめた。
以下は私の妊娠週数とそのときの体調が普段と比べてどれくらいだったかをまとめた図である。
妊娠初期(~16週)とつわり
生理予定日3日後にパーソナルジムにいったら、いつものダンベルを持つと死にそうになった。 半分の重さにしても息切れすることから、これはおかしいと思い、しばらく安静にした後妊娠発覚した。
私はつわりは6週から17週までで、比較的軽い方だったと思う。
などの症状はあったが、全く動けなくてつわり期に休業している友人も多かったのでそれと比べれば軽い方だという認識。
初期の間でこれは無理だと思って会社を休んだのは3日程度だった。
全体的体力が普段の30%になるデバフがある状態だが、メンタル・脳みそは割と問題ない感じ。
つわりは一般的に5週〜13週までつづくと言われている。
私は割と軽めな代わりにつわり期が長かった。
つらい時期なのに報告できない
妊娠初期に困るのが、一番大変だと言われる時期なのに相談し辛いことだ。
一般的に妊娠報告は「安定期(妊娠16~20週)に入ってから」という風潮がある。
これは12週未満は流産する可能性が高いことが主な理由だと思われる。
私の場合は12週あたりで上司にだけ相談した*3。
仕事上の問題はあまりなかったが、嘘が全くつけない性格なので、
「最近会社こないけどどうしたの?」
「お酒飲まないの?」
「(飲み会のコースの)刺し身たべないの?」
と言われると、アワワ( ;゚д゚))となった
初期のは流産率が高いのは確かだが、もっと簡単に報告していい風潮だったらいいのにな、と思った。
妊娠中期(16週〜27週)
中期はわりと体調が安定していた。安定期というだけある。 普通に出社して仕事していた気がする。
中期はパートナーと旅行に行ってる妊婦の友人も多い印象だった。 私は初期に特急電車に乗って吐き気が止まらずやばい状態になった恐怖から、妊娠期間を通して電車恐怖症だったので、移動は車で行ける距離もしくは普通電車で30分以内にしていた。
妊娠5ヶ月でお腹がかなり大きくなってきたので、会社や周りにも報告した。
報告したあとは仕事も友人とのおしゃべりもも気にせず話したいことが話せるようになったので、精神的に楽になった。
妊娠7ヶ月後半あたりから睡眠がとれなくなり、体調が再び悪化し始めた。
これは人と比較して自分の胎児・お腹の大きさがかなり大きかったのが影響していそう。
私は28週時点で、胎児のサイズが32週相当・ウエストが98cmくらいだった。
妊娠後期(28週〜)と産前休業
後期づわり
妊娠後期はわりと体調が安定している人が多いと聞いていたのが、私はとてつもなく体調が悪かった。
つわり期以上に寝れない・吐き気がして気持ちが悪い・動けない。
寝れない理由は以下
- お腹が大きすぎて仰向けでは寝れない
- 横向きにねると下にしたほうを胎児にボコボコ蹴られる
- 頻尿がひどいので連続してまともに睡眠を連続してとれない
動けないというのは具体的には以下のような状態
- お腹が大きすぎてしゃがめない
- 靴下がはけない
- ものが拾えない・掃除ができない
- 歩くと膀胱が恒常的に痛い
- 歩くと体がおもすぎて足裏が痛い
とても幸運なことに、自分の所属する会社では34週からではなく、30週から産前休業に入れる仕組みがあった。
そのため28週からは体調の悪さに絶望しながらもなんとか働いて、30週で産休を取得した瞬間屍のように動けなくなった。
妊娠中は「つわりが辛いもの」と思っていたが、後期の動けなくて何もできない状態のほうが3倍つらかったのは予想外だった。
産前休業中
「産休」というものがあるが、妊婦には以下の取得権利がある。
- 産前休業: 出産予定日6週間前から
- 産後休業: 産後8週間まで
産前休業中は、産後と違って赤ちゃんのお世話をする必要があるわけでもなく、めっちゃ自由時間があると思っていたので、
休業前までは「産休入ったら毎日英語の勉強するんだ〜〜!!」 とはしゃいでいた。
が、私は前述の通り妊娠後期の体調が悪すぎて脳みそがまともに動かなくなった。
妊娠前と比べて体は
- ウエスト 65cm → 106cm (+63%)
- 体重 47kg → 63kg (+34%)
自分の体が突如こんなに大きくなってまともに動けるはずがない。
産前休業中の現在、できていることは以下
- 運動不足解消のため近くのスーパーにいく
- お料理
- マタニティヨガ
- ガーデニング
- オンラインもしくは近所で友人と喋る
以下は短時間(30min ~ 1h)なら可能
- 本を読む
- ゲーム
脳みそと体力を使うことは全般できない
- 筋トレ
- 勉強
妊娠後期はつわり時期同様、ひとによって大変さが全然違う。 せっかくの長期で仕事を休める機会ではあるが、生産的なことが何もできなくてもしょうがないと本人もパートナーも割り切れるとよさそう。
妊娠中出社する人が買ったほうがいいもの
ソフトウェアエンジニアはリモート勤務の人も多いかと思うが、出社する人は早めにこれらを購入するとよいと思った。 最初いらないとおもってもどうせ買うことになるので、さっさと買ったほうがQOLが高い。
妊婦帯
妊婦さんの腰を保護するやつ。妊娠中はほっておくと反り腰になるので、あったほうがいい。
7ヶ月でぎっくり腰をやって以降外に出歩くとき着用するようにしていた。
ワコールのを使っていた。
マタニティ服
5,6ヶ月(~ウエスト85cm)まではどうにかお腹周りのゆるい普通の服でいけるが、限界突破して7ヶ月以降に多分買うことになる。着れたとしても普通の服はお腹が出ると見栄えは良くないので、気になる人はさっさと買ったほうがコスパがいい。
マタニティ服はお腹がでても変にならないようにデザインができているので普通の服を着るよりダサくならない。私は通販(Milktea)で購入した。
キャリア的な話と妊娠の適齢期の話
ソフトウェアエンジニアとして働き始めた当初、 「1年たったら技術なんて色々かわってるし、産休・育休とったあと復帰できるのか不安...!」 と思っていたし、若い子からそういう話をよく聞く。
しかし、いくらか働いてキャリアを積むと 「自分には十分基礎力はあるし、たとえ1~2年後復帰したとしてもすぐにキャッチアップできるから大丈夫」というふうに思えるようになる瞬間が来ると思う。
それが3年なのか10年なのかは人による。私は6年目くらいでそう思える時がきた。
今現在休んでいると「仕事復帰したらChatGPT上手に活用できないとやばいんだろうな〜こわい〜」とは思うけど、どうにかなる気がしてる。
なので「子どものこと考えると出産は早いほうがいいと思うけど、キャリア的にはまだまだ頑張りたい...!」と思っているひとは、満足するまで一旦キャリアを積むのもいいんじゃないかと思う。
ただ、そういうひとは健康診断でも受けれるAMH検査を受けてみたり、お金に余裕があれば卵子凍結を一度試してみるのもいいと思う。
AMHは妊娠のしやすさに直結するわけではないが、体内の卵子の数を推定できる検査。7000円くらいでできる。
卵子凍結は卵子を保存をするが目的というよりも、不妊治療の過程がどれくらい大変で、自分の身体がどれくらい1度で採卵できるのか知っておくことで、今後の計画を立てやすくなるという意味で私は経験してみると良いと思った。
私はそれらをトライした上で、自分があまり高齢出産には向かない体だと認識し、あまり出産が遅くならないような選択ができる環境を作ろうと考えた経緯がある。
さいごに
そんな感じで現在37週産前休業中の妊婦をしている。
37~42週までの出産は、「正期産」と呼ばれる。
つまりいつ生まれても大丈夫だと言われる時期に突入し、ようやく安心している。
まだ無事に生まれるかはわからないけど、いい陣痛が来るように重い腰をあげて一生懸命ウォーキングとヨガをがんばろうと思う。
想像していた妊娠と実際の違いををまとめると、
- 想像していた妊娠:つわり期の吐き気がやばくなる
- 実際の妊娠: 10ヶ月に及び睡眠不足と巨体化によって動けなくなる継続的なメンタル・フィジカルへのダメージややばい
という感じだった。
つわりが軽く、切迫流産や早産の心配もなかった比較的健康的な私だったが、想像していたの数倍妊娠期は大変だった。 *4
妊娠期の大変さは個人差が大きいので、ギリギリまで働けるひともいれば、全く働けないひともいる。これは個人の甘えとかではなくて個人差だというのを知ってもらえたら嬉しい。
これから妊娠期間を働きながら頑張るひとになにか少しでも参考になることがあれば幸いです。